『初夏の芸術論』

2020年09月01日発売。A5判、174P、税込1,595円。

全12篇の短編小説に通底するのは、現代の文明社会が「失ってしまった何か」への希求である。
携帯電話を持たない絵画教室の先生、田舎暮らしを始めた主婦、万年筆で手紙を書き始めた青年・・・。

主人公たちは、それと同時に「美とは何か」を求めながら日々の生活を送っている。
そこにあるのは、美への飽くことなき探究心と、芸術への情熱である。
  例えば、女子高生「江戸川 ひさき」の美への思いは、ギャラリーでバイトをしながら
デッサン教室にも通おうとする。その真摯な姿は、過去の読み手の思い出を想起することも有るだろう。
面映ゆい思い出は、若き青春の1頁である。

  もう一度、若い時代=「人生の初夏」を思い出したい方に、お勧めの一冊である。

<収録作品>
別れのピアノ
失われた何か(初出)
雨の匂いと少年時代
閃く想い
君のイマジネーション
そこにある美
初夏の芸術論
ギャラリーズ・トーク(初出)
書けない手紙
夢くじ
アーカスとの話
たき火の傍で(初出)

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